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食事中に物を投げるのはなぜ?

食事中に投げるのはなぜ?
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お子さんが食事中にごはんを投げたり、スプーンを投げたりすることに困っていませんか?
叱ってもニヤニヤしていたり、何度も何度も投げるのはなぜでしょう?

そこにはちゃんと、子どもの発達心理学に基づいた理由があります。
年齢別に書いていきますので、参考にしてみてください。

※記載の年齢は目安です。
0歳後半なら1歳に当てはまるかもしれませんし、1歳後半なら2歳に当てはまるかもしれません。また、子どもによっても個人差がありますので、あくまで目安としてご覧くださいね。

食事中に物を投げる理由~0歳のケース~

0歳の場合は、「投げる」というより「落とす」に近いですね。
この時期は、「本能」と言ってもいいかもしれません。
どんな本能が働くのか、見ていきましょう。

物から手を離せることが嬉しい時期

お子さんがおもちゃを「どうぞ」しようとしてこちらに差し出すものの、手から離れず持ったままだった、という経験はありませんか?
「離す」という動作は、「握る」よりも難しいのです。
だから離せるようになると、それが嬉しくて何度もやりたいのです。

“原因と結果”を確認したい時期

食事中に投げるのはなぜ?
生後6~8ヶ月頃は、「原因(行動)と結果」の結び付きに注目し始める時期でもあります。
早い子は、5ヶ月くらいからです。
「原因(行動)と結果」とはつまり、「こうしたら、こうなる。」ということです。

手を離すと物が落ちる
→もう一回やったら、また落ちるかな?
→もう一回やってみる
→さっきと同じだ!もう一回やってみよう!

このように、身をもって経験しながら「原因と結果」の関係を学んでいるのです。

さらに、

「落とすとママが拾うんだな。もう一回落としたら、また拾うかな?」

というところまで考える子もいます。

行動を起こして、結果を見て、納得するまで続けます。

拾っても拾っても落とすのは、「確認作業」であり、子どもにとっては大切な学びなのです。

0歳児が食事中に物を落とす行為には、全く悪気はありません。
投げたい欲求を、ボールなどのおもちゃで満たしてあげると良いと思います。

食事中に物を投げる理由~1歳以降のケース~

それでは、手や体が自由に動かせるようになり、だいぶ知恵もついてきた1歳以降の場合はどうでしょうか。
まず「親の反応を見る時期」があり、次に「葛藤を覚える時期」があります。
順番に見ていきましょう。

親の反応を見る時期

食事中に投げるのはなぜ?

1歳を過ぎる頃になると、親の反応に注目するようになります。

「これを投げるとママがいつもと違う顔するぞ?」と気付きます。
でも、「怒った顔=怒っている=投げてはいけない」ということはまだ理解できません。
だから、「もう一回やったら、またあの顔するかな?よし、もう一回やってみよう!」となるのです。
叱ってもなんだかニヤニヤしている理由は、そういうことなのです。

葛藤を覚える時期

食事中に投げるのはなぜ?

「反応が見たい」を繰り返すうち、「これを投げることはいけないことなのかな?」と気付き始めます。
そして、葛藤 が始まります。

「いけないことなのかもしれない。」
「でも、投げたい!」
「やっぱりいけないことなのかな?」
「でも、やっぱり投げたい!!」

この「葛藤」、私達は当たり前にできることですが、1歳児にとって「葛藤できるようになる」というのは、脳の発達にとても大切なのです。

大切な成長過程の最中なのです!

この時期、まだ厳しくしつけをする必要はありませんが、「投げてはいけない」ということは伝えても良いと思います。

思わず強い口調で「コラッ!ダメッ!」などと言いたくなってしまいますが、威圧的な態度はそういう反応を面白がってしまう場合もあります。
その場合は、余計繰り返してしまうかもしれません。

いったん、「投げたいよね。そうだよね。」という気持ちになって、イライラを落ち着かせてから、

「スプーンはごはんを食べるものだよね?」
「だいじだいじ してね」
「おしまいなら、どうぞしてね」

など、「投げる代わりにどうするべきか」を、冷静に、具体的に伝えてあげると良いかなと思います。
我が家では、普段使っているわかりやすい言葉で、拾いながらではなく、子どもの目を見て伝えるようにしています。

もちろん、言ってわかってくれる子なんて、あまりいないです。
仮にわかっていたとしても、まだ自制心が育っていないので、行動に反映することは難しいのです。

冷静に、何度も、繰り返し伝えてあげる。
それでいいんです。

すぐに結果がでないと心が折れそうになりますし、根気のいることですが、
子どもはわかっていなさそうに見えて、ちゃんと少しずつ学んでいます。

とはいえ、一回の食事中に何度も何度も拾っていては食事どころではないですよね。
スプーンを3回投げたら「じゃぁ、おててで食べようか」と、子どもから遠いところへ置いてしまうなど、ご家庭それぞれのルールを決めてしまうのも良いと思います。

1歳以降 その他の理由

食事中に投げるのはなぜ?
その他、1歳以降では下記のようなケースも考えられます。

親の気を引きたい

食事中に、親がスマホやテレビに夢中になっていたり、ついついパパとママだけで話が盛り上がっていたり、下の子の食事や授乳に集中していたりすると、自分にも気を向けてほしくて投げている可能性があります。
まだ話すことができなくても、自分に話しかけたり笑いかけたりしてほしいのです。

「公園楽しかった?アリさんがいたね。」
「にんじん美味しいね」
「食べるの上手になったね」
「食べてくれてママ嬉しいな」

そんな些細な言葉がけを大切にしてみてください。

食べ物や味付け、固さや大きさの好き嫌い

なんでも食べる子もいれば、嫌いなものがある子もいます。
また、固くて噛みづらかったり、大きくて食べづらかったりすると素直に食べてくれない場合があります。
まだ言葉で「これは食べたくない」と伝えられないため、投げるという行為で表現している可能性があります。

また、気分にムラができる時期でもあります。

うちの子の場合、ハンバーグや卵焼きなど、今まで自分でかじって食べていたものをある日突然食べなかったので、試しに一口大に切ってあげたら食べたという出来事がありました。
その後、数日後に再び切らずに出してみたら、いつも通り自分でかじって食べられました。

このように、
以前まではできていたことが、その時の気分などで急にできなくなる
というのは、1歳を過ぎるとよくあることです。

「おなかいっぱいだよ!」のサイン

お腹がある程度満たされてくると、気持ちが「食べたい」から「遊びたい」に切り替わってしまい、物を投げ始めることがあります。

食べられる量や離乳の時期には個人差があります。
SNSなどで同じ月齢の子のごはんを見て「うちもこれくらい食べさせなきゃ!」と思わなくて大丈夫です。
自分の子に合う量を、毎日少しずつ見極めていきましょう。

規則正しい時間に食べているか、また、体重が母子手帳の成長曲線に沿っているかは一つの目安となります。
成長曲線から極端に外れている、あるいは体重が減ってきたなどであれば、かかりつけの小児科医や、自治体の相談窓口などに相談してみましょう。

食事中に物を投げる理由~2歳以降のケース~

それでは、2歳以降の場合はどうでしょうか。
1歳のケースがそのまま当てはまる場合と、2歳以降特有のケースがあります。

2歳以降特有のケースとして、「自我の発達」や「秩序の敏感期」が考えられます。

自我の発達

食事中に投げるのはなぜ?
“自我”は、正確には0歳から芽生え始めているのですが、主に1歳から強く出るようになり、2歳前後にはますます発達していきます。
自我が発達すると、どんどん自分の「やりたいこと」にこだわるようになります。
例えば、

今ごはん食べたい気分じゃない!お絵描きがしたい!
これじゃなくてハンバーグが食べたい!

など、自分の意向がしっかりしてくるのです。

また、「自分でやりたい!」という気持ちも強くなる時期です。

例えば、
こぼしたところを、いつものようにママがささっと拭いた

→本当は自分で拭いてみたかった

だけど、まだ言葉でそれらをうまく伝えられないので、いわゆる「イヤ!」で表現するのです。

伝えたいのに伝えられないモヤモヤが、投げたり叩いたりといった激しい動作となって表れる時期です。

秩序の敏感期

また、この時期は、いつも通りの場所、いつも通りの順番、など、「いつも通りの◯◯」にこだわります。

いつもはお風呂の後にごはんなのに、今日はごはんを先にしている
→お風呂が先じゃないとイヤ!

新しい食器でごはんを出した
→いつもの食器じゃなきゃイヤ!

など、ルーティンが乱されてイヤな気持ちを、物を投げることで表現しているかもしれません。

なぜ「いつも通り」にこだわるのかというと、

知らないことだらけのこの世界で少しずつ生き方を学んでいる最中だから。
「こういう時はいつもこうしている」という、これまでに積み重ねてきた経験が子どもにとって『道しるべ』となっているため、その通りに行動することで安心するのです。
頼りにしている道しるべが乱されるのがイヤなんです。

2歳前後の、こういう時期。
何を言っているのかよくわからないし、何がしたいのか、親もわかってあげられなくて辛い時期ですね。

わからなくても、わからないなりに子どもの気持ちを一旦受け止めてあげることが大切です。

我が家では、何を嫌がっているのかわからない時でも、
「何かがイヤなのね。そうかそうか、イヤなのね。」
と、気持ちを受け止めてあげてから、
「イヤだと思ってもスプーンを投げたらいけないよ。スプーンはごはんを食べるものだよね。」
などと、伝えています。

自分の気持ちをわかってくれた、もしくはわかろうとしてくれた、という経験が、
「人の気持ちがわかる」、「人に優しくできる」の土台になります。

1歳同様、伝えてすぐに投げなくなる子はあまりいません。
ですが、「投げなくなること」よりも、「親子の愛着関係を築くこと」が大事な時期です。
1歳同様、厳しく言う必要はないので、
気持ちを受け止めつつ、いけないことだと伝える
を意識してみると良いかもしれません。

まとめ

以上のように、子どもが食事中に物を投げるのは、年齢別に様々な理由があります。

「悪気はないんだ」
「発達過程において自然に発生するものなんだ」
とわかるだけでも、イライラが軽減されますよね。
投げられて大変なことには変わりなくても、だいぶ心持ちが違うのではないかと思います😊

対応の仕方もご紹介しましたが、
お子さんの性格なども踏まえて、それぞれのご家庭なりに対応されてくださいね😊
なにより、頑張っているお母さん・お父さんにストレスのないように。
ご家庭に合ったやり方で良いと思います。

あるお母さんは、
「投げたらアッカ~ン~! 投げたらアッカ~ン~!」
と、某CMソングを替え歌にして、こぶしをきかせて歌うそうです。
子どもは面白がって何度も投げるけど、自分は楽しい気分になるからストレスはないと言っていました。

また、忙しい朝や仕事後の疲れた夜は真剣に向き合っている余裕がなかったりしますよね。

『最初からコップは近くに置かない!』
とか、
『落としても拾えば食べられるものにしてる!』
など、ストレスにならないようにしている方もいます。

育児って、それでいいと思います!
なんでも育児書の通りじゃなくていい。
理想通りじゃなくていい。
逃げ道を作ってあげるって大事です。

親が笑顔でいるのが一番です👍

食育の観点からも、乳幼児期は「食事って楽しい!」と思うことが大切とされています。

バタバタしていると、ついつい笑顔を忘れてしまいがちですよね💦
気付くと、親が必死な表情でごはん食べたりあげたりしているんですよね😅💦

食卓が楽しいものでありますように☺️ 🍽

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