『可能性の芽を摘む』という表現がありますね。
子どもの可能性はできるだけ伸ばしてあげたい、芽を摘んでしまいたくないと思うのが自然かと思います。
でも、どうしたらいい?何をすればいいの?と思っている方へ。
考え過ぎなくていいと思います。
実はとてもシンプルなことだったりするのではないでしょうか。
習い事をたくさんさせるでもなく、早期教育をするでもなく、もっと生活の中で意識できる大切なことがたくさんあります。
この記事では、
『子どもの可能性を伸ばす育児』についてと、それに関連した『見守る育児』についてを、私のエピソードや学術的見解を交えて書いていきます。
対象は乳幼児で、特に0〜3歳頃に焦点をあてています。
可能性を大切にしようと意識した例
我が家では、できる限り娘の行動を尊重しようと意識しています。
そのような場面は日常生活の中でたくさんあるのですが、例を二つ紹介します。
コップの水で遊ぶ行動
1歳8ヶ月の頃、コップの水を食後空になったお皿にジャーッと入れ、お皿からまたコップへ移して、またお皿に移して、、それを繰り返していました。
まだうまく入れられなくて、テーブルはびしょびしょに。
でも、こうやって水に興味を持ったり、こぼれることや力加減を学んでいると思うと、気が済むまでやらせたくなりました。
そして私は、こぼれた水を自分で拭かせることにしました。
こぼれたら拭く、ということが学べるし、一石二鳥だと思いました。
娘も「拭く」という新たな行為ができるようになって嬉しかったようで、楽しそうに拭いてくれました。
食後に食器を拭く行動
2歳になった最近は、「ごちそうさまでした!」の後、ガーゼで食器を拭き始めます。
食べ終わった直後の、洗う前の食器です。
ベタつくものでなければ「まぁ、洗濯機に入れればいいや!」と思えるのですが、油分のあるものやトマトソース系、納豆などは、「はぁ〜…めんどくさ…」と思っちゃいます…。
でも、「あ〜、それ拭かなくて大丈夫よ〜」と言いたいのを抑えて、やらせます。
「拭く」という行為を覚えて「やってみたい!」と思うことは大事なことですし、よく観察してみると、右手と左手をうまく使いながら動かして拭いているんです。
手先を使って、頭を使って、満足感を得て、きっと今脳はすごく活性化しているに違いない!と思うのです。
0〜2歳は「感覚運動期」
ここで少し、発達心理学の観点から考えてみましょう。
0〜2歳の子どもが物事を認識する時は、自分の得た感覚や手の動きなどで認識します。
まだ物事の仕組みや機能を理解していないからです。
五感に基づいた認知、原始的な感覚による学びをするのです。
赤ちゃんが、初めて見たものを口に入れて確かめるのもそうですね。
この時期は、あまり口うるさくせず、ぐちゃぐちゃに汚れる行為や、思いのままに散らかす行為を経験させてあげることが大切なんです。
大事な発達過程であると割り切ってしまうほうが良いかもしれません。
(とはいえ親も大変なので、できる範囲で…、そして危険のない範囲でさせてあげましょう。)
可能性の芽を摘みそうになった話
次に、私が【危うく可能性の芽を摘んでしまいそうだった】エピソードです。
こちらは、運動編として、公園の遊具と、ペダルなし二輪車を例に挙げてみますね。
公園の遊具
2歳を過ぎ、ますます外遊びが活発になってきたのでよく公園に連れて行くのですが、先日こんな事がありました。
とある休日、パパも一緒に3人で公園へ行くことになりました。
せっかく3人で過ごせる日なので、まだ行ったことない公園へ行ってみることにしました。
娘は滑り台が大好きです。
公園に着くと滑り台を見つけ、ゆっくり近づいて行きました。
その公園の滑り台は、いつも遊んでいる公園の滑り台よりも高く、くねくねと一回転くらいカーブしている滑り台でした。
階段を登り切った部分が広めになっていて、そこに数人の子どもがいて、順番に滑っていました。
その時、パパとこんな会話をしました。
その時には、すでに娘は階段に手をかけていました。
私も意を決してやらせてみることにしました。
階段を上がる時はすぐ近くにいてあげられるけれど、上に立ったらもう助けてあげられない…
上に着いた…
大丈夫かな… 恐くて泣くんじゃないかしら…
モタモタして後ろの子に押されたりしないかな…
大丈夫かな..
私はもうハラハラが止まりませんでした。
ただ、この時点で実はすでに感動もしていました。
娘は人が苦手で、初めての人には警戒心が強いのです。まして初めての場所だと尚更です。
その娘が、勇気を出して階段を登り、みんなの中に混じって立っているのです。
感動とハラハラの混ざった気持ちで見守っていると、娘の滑る順番がきました。
なんとか腰は降ろせたものの、案の定なかなか滑りません。
もう祈るような気持ちで、「大丈夫よー!ママここにいるから、おいでー!」と声をかけると、
滑ってきました!!
もう娘を抱っこして、「すごい!!頑張ったね!!」って、涙ぐんでしまいました。
忘れもしないのは、滑り終わった娘の顔が笑っていたことです。
達成感に満ちた、満足そうな表情だったのです。
それを見て、私は思いました。
挑戦して達成感を味わうことって大事だ…
そして、娘の可能性を信じて背中を押してくれたパパに感謝しました。
ここで大切なことは、子どもがやりたそうにしていたこと、つまり、興味を持っていたことです。
これについては、後述します。
※未体験の遊具に挑戦させることは危険も伴います。保護者の監督と責任の元、ご判断ください。
ペダルなし二輪車
こちらも、滑り台の話と同類なのですが、ペダルなし二輪車のエピソードです。
娘が1歳半の時、親戚からペダルなし二輪車を頂きました。
その商品は対象年齢が1歳半からだったので、家の中で少しずつ練習を始めました。
1歳半時点ではまだ身長が足りず、立ったまま押す感じで遊びます。
身長が伸びてくると、座ってこげるようになりました。
そして、2歳を過ぎた頃、パパと私のこんな会話が。
意を決して、少し広めの公園で走らせてみることにしました。
するとどうでしょう!
始めこそゆっくりだったものの、慣れてくるとスイスイ軽快に走り出したのです。
そして、パパが「ついておいで〜」と先を歩くと、一生懸命カーブしながら付いていくのです。
広いところでやらせたほうが、スピードコントロールのコツも掴みやすいし、カーブも自然にマスターできるんだ!と気付きました。
ここでも、大切なことは、子ども自身に「ストライダーが好き」という気持ちがあったことです。
子ども自身が興味を持っていたらチャンス!
「メモ」に書きましたが、子どもが「やってみたい!」、「これが好き!」と思っているならば、成長する大チャンスなわけです。
あまり興味を持っていないことを頑張らせようとするよりも、興味のあることで挑戦させると伸び率もぐっと上がります。
我が家流『見守る育児』
我が家で気をつけているのは『先回り育児』をしないこと。
『先回り育児』とはつまり、子どもが考えるより先に、親が手を貸したり口出ししたりすることです。
自分で考える力をつけてほしいので、子どもが考えるより先にあれこれ言わないように、まずは見守ることを意識しています。
例えば・・・
<先回り>
靴下を自分で履こうと頑張っている時に、「あっ、上下が逆!」と途中で親が履かせ直してしまう。
↓
<見守り>
そのまま履かせて間違いに気づくまで待つ。気づかなければ、「猫さん(柄)が上だね」などと教えてあげて一緒に履き直す。
<先回り>
卵焼きをスプーンで食べようとしている時に、「フォークのほうが食べやすいよ」とすぐに言ってしまう。
↓
<見守り>
スプーンでは食べづらいことを自分で気づかせるために、まずは何も言わない。
一向に気づかなそうであれば、「フォークも使っていいのよ」などと助言する。
この『見守り』は、遊びの中でも大切にしています。
おまけ 〜ぶくぶくうがい〜
さて、おまけエピソードなのですが、娘が「ぶくぶくうがい」できるようになりました。
1歳半で挑戦した時は、説明してもまだ理解すらできず、全くできませんでした。
「早過ぎたか…」と思い、その後すっかり挑戦させていなかったのですが、2歳を過ぎて突然、娘自らやり始めました。
私のうがいを毎日見ていて覚えたのでしょう。
もう少し早く練習再開していたら、もっと早くできるようになっていたかも…と思う反面、やはり本人が興味を持てば自然とできるようになるんだなぁ〜、焦らず時がくるのを待つことも大事なんだなぁ〜と思いました。
まとめ
■大人から見ると困った行為でも、子どもは興味や感覚を楽しんでいる
■0〜2歳の子どもは、感覚(五感)によって物事を学んでいる
■ぐちゃぐちゃにする行為は大事な発達過程だと捉える
■子どもの好きなこと・興味を持ったことは、挑戦させてみることも大事
⇨達成感や満足感
■『先回り育児』よりも『見守る育児』
冒頭にお伝えした通り、『子どもの可能性を伸ばす育児』は難しく考える必要はなく、生活や遊びの中で意識できることがたくさんあります。
第一子だと手をかけられる分、子どもの好奇心をさえぎってしまったり、守り過ぎてしまったり、手を貸し口を出し…となるケースが多いかもしれませんね💦
第二子、第三子となると、かまっていられないから自然とのびのび育った、という声はよく聞きます🤗
あと、こうして文章にすると固い感じがするのですが、「子どもの行動をちょっと尊重してみる」とか、「ちょっと子どもの気持ちになってみる」を意識することが大切かな〜と思います😊
子どもの好奇心や可能性をグングン伸ばしながら、育児を楽しみましょう!✨