離れると泣く。
きっと多くの親御さんが経験したことのある悩みですね。
甘えん坊なのかな…?
愛情を持って関わっているつもりだけど…足りてない…?
お友達のあの子は親と離れても平気なのに…
色んな思いがよぎりますね。
結論から言うと、過度に悩む必要はなし!
むしろ、正常に成長している証拠です。
今日は、そのお話をいたします。
後追いはいつからいつまで?
親が離れると泣く、いわゆる「後追い」をする時期はいつからいつまでなのでしょう。
個人差はありますが、生後6ヶ月頃から2〜3歳までと言われています。
「うちの子、2歳を過ぎてもまだ後追いするの」
と不安になっている親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、まだ心配しなくても大丈夫ということになりますね。
なぜ後追いをするの?
では、生後6ヶ月から2〜3歳の子どもが後追いをするのはなぜでしょう。
なんとなく、「ママやパパが大好きだから」と想像できるかと思いますが、もう少し具体的に説明しますね。
後追いには、『アタッチメント』が大きく関わっています。
『アタッチメント』とは、『愛着』や『愛着関係』などと訳されます。
親と子が互いに愛し合い強化され、対人関係・学習機能・情緒的安定・自己肯定感などの基盤となるものです。
この『アタッチメント』には4つの段階があります。
アタッチメント第一段階
【出生〜3ヶ月頃】
目の前にいる人が誰なのかは関係なく、本能的にアタッチメントを求めます。
具体的には、
・目で追う
・声を聴く
・手を伸ばす
・ほほえむ
・泣く
・「ウー」、「アー」と声を発する
アタッチメント第二段階
【3ヶ月〜6ヶ月頃】
いつも関わってくれる人にアタッチメントを求めるようになります。
多くの場合は養育者にあたり、一人とは限らず、数人の場合もあります。
・養育者の顔が見えるとほほえむ
・養育者の声に対して、声を出して反応する
人物によって反応の違いを示すようになるのです。
赤ちゃんの「人見知り」が始まるのもこれに関係しています。
アタッチメント第三段階
【6ヶ月〜2、3歳頃】
見知らぬ人に対して警戒心を持ったり、関わりを避けたりするようになる一方で、養育者に対してはますます愛着度合いが増し、「いつも近くにいたい」という気持ちが芽生えます。
そうなると、後追いの始まりです。
・養育者が離れるとついてくる
・養育者の姿が見えないと泣く/見えていても離れていると泣く
養育者のことを、自分にとって安全な人、安心できる人とみなしているためで、これは、養育者がきちんと愛情を注いできたからこそなのです。
ここで、大事なポイントがあります。
それは、養育者が戻った時に、歓迎するかどうか。
つまり、抱っこを求めたり、泣きながらもホッとした表情を見せたり、落ち着きを取り戻したりするかどうか。
それがあれば、心配いりません。
離れてもまた戻ってくるとわかるようになれば、家の中など慣れた場所なら徐々に後追いは減っていきます。
アタッチメント第四段階
【3歳前後〜 ※終わりは個人差あり】
3歳前後になると、様々な場面で「きっと、こうだろうな」とイメージできる力がついてきて、イメージした結果に向けた行動がとれるようになります。
これまでにきちんと養育者との間に愛着関係が築けていれば、養育者が少しくらい離れていても、「ママは近くにいないけど、自分はママに愛されているから大丈夫!」と思えるようになるのです。
そうなれば、後追いもしなくなります。
愛情を欲する度合いは個人差が大きい
養育者と一緒にいたいという度合いには個人差が大きいです。
少しの愛情で満足できる子もいれば、たくさん愛情が必要な子もいます。
だから、後追いが激しいとか、長引いているとかであっても、それは愛情の掛け方が足りないのではなく、子どもが欲する愛情の度合いが大きいだけです。
例えば、大人の世界でも、
恋人とあまり一緒にいなくても大丈夫だという人もいれば、
毎日でも会いたいという人、いつも連絡をとっていたい人、いつも言葉で愛情を伝えてほしい人、
様々です。
夫婦間で例を挙げると…、
Aさんの夫はゴミ捨てだけしか家事をしない
でもAさんは大満足している
Bさんの夫はたくさんの家事をする
でもBさんは、まだまだやってほしい!足りない!と思っている
話を元に戻すと、つまり、子どもが欲する愛情の度合いは、その子その子によって違うのです。
だから、「私の愛情の掛け方が足りないのかな…」とは思わなくて大丈夫です。
子の性格も関係している
後追いが激しい子とそうでない子とでは、性格に違いがある場合もあります。
慎重なタイプ、繊細なタイプは、場慣れに時間がかかるので、初めての場所では特に、親と離れていられない場合が多いです。
逆に、好奇心旺盛で尻込みしないタイプだと、初めての場所でも親そっちのけで活動し始めるかもしれません。
まとめ
■後追いする時期は、生後6ヶ月頃から3歳頃まで ※個人差あり
■親が離れると泣き、戻ると安堵して落ち着くのであれば、愛着関係がしっかり築けている証拠
■愛着関係がしっかり築けていれば、次第に親の姿が見えなくても「離れていても自分は愛されている」と思うことができるようになる
■子が欲する愛情の度合いには個人差がある
■子の性格によって後追いの度合いも変わる
一言で後追いと言っても、年齢、性格などにより色々なパターンがあります。
順調な発達過程の一つと捉え、あまり悩まず、他の子と比べず、今まで通り愛情をもって過ごしたいですね😊